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夏至の500kmライド続き、いよいよ最終日です

前夜もホテルに着いて終わりではありませんでした。
濡れたジャージやウェアを洗濯し、翌日のルートを再確認。
気が付けば睡眠時間はわずかでした。
その理由は、夜中に尾張地方に住む知り合いのサイクリストから届いた一本のDM。
当初は最短ルートとなる石榑(いしぐれ)トンネルを越えて滋賀へ入る予定でした。
しかし、
「石榑トンネルは約4kmも続く狭いトンネルだから、自転車ではおすすめしない」とのこと、代わりに提案してくれたのが鈴鹿スカイライン。
しかしこちらは距離が約10km増え、しかもかなりの激坂。
「今の自分に登れるのか…」
そんな不安を抱えたまま眠りにつきました。
8:30 ホテル出発

桑名は快晴。でも風は強かった
走り始めてすぐ異変に気付きます。
昨日までの疲労が一気に押し寄せ、平地なのに時速15~18kmしか出ません。
「これはヤバい。」
頭の中で警報が鳴り響きます、「どこかで輪行しよう。」そう思いながらも、深みにハマるがごとくハンドルは滋賀方面へ向いていました。
周囲は川沿いの田園風景。人影も少なく、「こんな場所に滋賀へ抜けられる鉄道なんてあるわけないよな…」
後で調べると、桑名から輪行で滋賀へ向かうには岐阜方面へ大きく戻るしかなく、現実的ではありませんでした。
この日は13時に目的地である神社の管理人さんとお会いする約束をしていました。
しかし、このペースでは到底間に合いません。
途中のコンビニから電話を掛け、約束の時間を16時へ変更していただきました。
その瞬間、腹をくくります。
「もう鈴鹿スカイラインを這ってでも越えるしかない。」
10:20 三重カントリークラブ付近 432km
鈴鹿スカイラインの入口。
深呼吸を一つして、ヒルクライム開始です。
いきなり斜度9~10%。
ここから先は時速5~7kmの世界、ヒルクライム特有の(あくまでも私の脳内)
不安も、
愚痴も、
希望も、
絶望も、
もう何もありません。
ただ念仏を唱える修行僧のように、ひたすらペダルを回し続けました。
途中で一度トイレ休憩。
再スタートすると標高が上がり、雲の中なのでしょう、霧雨が体にまとわりつき始めます。
体感温度が下がる、すると少しずつ体に異変を感じ始めました。
とうとうトンネル手前で自転車を降ります。
押して歩き始めると、自転車の異様な重さに気付きました。
昨日から擦っていたリアブレーキの影響でホイールの回転は重く、さらにBB付近からも異音。
機材も酷使してしまい「すまない」
トンネルを抜けても息が整わず、「もうどうしよう…」そう思っていた、その時でした。
一台の車が止まり、見覚えのある人が降りてきます。
なんと前夜、鈴鹿スカイラインを提案してくれた尾張のサイクリストが駆け付けてくれたのです。
まさに地獄に仏。
思わず、「あぁぁ、ありがとう!」と叫んでしまいました。
「この先に避難帯があるから、そこまで頑張りましょう。」その一言で、もう一度自転車に跨ります。
避難帯へ着くと、補給食と水を用意してくれていました。
実はボトルの中身も五分の一ほどしか残っておらず、本当に助かりました。
「昨日からXを見ていたから、だいたい予想はしてたよ。」そう笑いながら話してくれます。
旅先で、ここまで人のために動いてくれる人がいる。
そのありがたさが胸に沁みました。
さらにサドルバッグとフロントバッグまで車に積んでくれ、「荷物は預かるから、身軽で行こう。」
残り約4km。
サポートカーを従えて、再びヒルクライム開始です。
荷物がないだけで別の自転車になったような感覚。
ギアが3枚くらい軽くなった気がしました(笑)。
向かい風区間では、車が前へ出て風除けまでしてくれます。
「なんて気の利く人なんだろう…」感謝しかありませんでした。
12:00 鈴鹿スカイライン頂上 440km
ようやく登頂。
ここまで来れば、あとは下るだけ。
30分ほど休憩し、今後の段取りと神社の管理人さんに再度連絡をして、到着時間が早まることを伝え、了承してもらいました(わがままで申し訳ございません)
リスタートします。
濡れた路面を慎重に下りながら東近江市へ。
標高が下がるにつれて雨も止み、気温も上がってきました。
不思議なことに、身体も少しずつ元気を取り戻していきます。
13:30 ファミリーマート日野河原店 465km
最後の補給。
路面も乾き、走りやすい。
補給を済ませると残り約10km。
いよいよゴールが見えてきました。
14:10 目的地到着 475km
琵琶湖のほとりの広い田園地帯、その中の人気のない森にひっそりとたたずむゴールの神社へようやく辿り着きました。

ボロボロでしたが何とかたどり着く
雨。
パンク。
通行止め。
向かい風。
機材トラブル。
疲労と睡眠不足。
そして鈴鹿スカイライン。
決して順調な旅ではありませんでした。(もっと簡単に着くと楽観視していたことが恥ずかしい)
それでも最後まで諦めず、たくさんの人に支えられながら、自分の脚で目的地へ辿り着くことができました。
続く